商品やサービスを販促するマーケティング活動の1つに、「プッシュ戦略」と「プル戦略」と呼ばれる手法があります。「プッシュ戦略」は、企業側が顧客に商品を売り込む手法、「プル戦略」は、顧客に商品の購入・利用を促す手法です。プッシュ戦略は能動的、プル戦略は受動的とも説明されます。
プッシュ戦略とプル戦略は、それぞれ異なる特徴と利点・欠点を持っています。
プッシュ戦略
プッシュ戦略は、ダイレクトメール(DM)のような宣伝方法です。DMは、企業が集めた顧客の情報を分析して、より興味を持ってくれそうな顧客に対し、企業側からアプローチをかけるマーケティング手法です。このように、企業側から顧客に働きかけるプッシュ戦略は、プル戦略に比べて多くの顧客にアプローチすることができるので、認知度が上がります。しかし、多くの顧客に情報を届ける分、プル戦略よりもコストがかかります。情報を発信した量に対して、反響が少ない可能性もおおいに考えられる点も欠点です。ですから、いかにコストを抑えるかが1つの重要なポイントです。
たとえばDMならば、DM印刷から発送までの作業を一任できるこちらのようなDM代行業者を利用することで、作業にかかる人件費やDM発送の際の送料など、発生するコストを大幅に削減できます。DMのほかには、テレビや新聞、チラシ、営業なども、プッシュ戦略に含まれます。
プッシュ戦略を行う上での注意点としては、選択する宣伝手法によっては、押しつけがましくなりがちになってしまうという点が挙げられます。強引なマーケティングは企業のイメージを損なって逆効果になってしまうので、プッシュ戦略を行う場合は気を付けましょう。
プル戦略
プル戦略は、インターネットホームページのような宣伝方法です。通常、公式サイトなどのホームページを訪れるのは、そのサイト自体や運営企業に関心を持っている人です。このように、プル戦略は、基本的には顧客側に行動してもらうことで宣伝になり得るマーケティング手法です。そのため、情報を発信できる対象は、プッシュ戦略に比べて少なくなります。しかし、元々企業や商品に関心を持っている人へ情報発信ができるので、購入・利用に繋がりやすいです。コストを考えると、効率が良いのはプル戦略と言えるでしょう。SNSや口コミ、ネット上の広告なども、プル戦略の一種です。
プル戦略の課題としては、どのようにして情報を顧客に発見してもらうかが挙げられます。あらかじめ認知されている企業や商品ならばともかく、そうでないならば、プッシュ戦略も併用して、企業側からの積極的なアプローチを行うことが推奨されます。
プッシュ戦略とプル戦略は、どちらが良いと断定できるものではありません。企業方針や商品によって、主に採用する戦略こそ変わってきますが、どちらか片方の戦略に固執するものでもありません。双方の特徴をふまえて、長所と短所を補完しながらマーケティングを行うことが大切です。